A君は、最初の5分は、やはり、ヨレヨレ馬だった。
そこを、乗り手が、すかさず対応した。
その事で、A君のギアが変化した。勢いのある常歩から、ひと息、ヒューっと、馬に合図するだけで、軽速歩を始める。
騎乗することができたようだ。(腹に力を溜めて肛門を閉めて、鎧にその力を落とす。)
かなり、勢いのある軽速歩になっている、だから、そのまま、正反動にしてみると、まるで、メトロノームが正確なリズムを刻むように、馬も、正確にリズムを刻み出した。
そうなってくれば、しめたもの、で、騎乗者は、馬の動きを邪魔しないで、馬に跨っていれば良い。
肩に力をいれない、といって、上半身をクネクネさせるわけでもなく、脚に力をいれるわけでもない。
馬の速度が遅くなるようなら、内方手綱を少し前に出し、譲ってやるが、外方手綱は、しっかり張っておく。
人馬一体となっている図は、
「まるで、静物画を見ているようで、人馬が止まっているみたいで、綺麗だった」と、褒められた。
そういう馬の動きになると、駈歩は、至って簡単で、外方脚をちょっと触るぐらいで、駈歩発進するし、最初の一歩から、勢いのある駈歩をしてくれた。
こんな経験は、私も、初めてだった。私の駈歩は、いつも、2、3歩軽速歩なのか、何か、わからない馬の動きがあって、
何だか、わからないが、駈歩に、なってます。という駈歩しかできなかったが。
今日のA君の駈歩発進は違った。最初の一歩から、勢いのある駈歩だった。以前の私なら、こりゃー、怖いな。と、感じていたかもしれない。
私も、何とか、その走りに、ついていけるなと、感じられたところが、大きな成長かもしれない。
こうして、一歩一歩、経験値を増やしていくことが、上手な馬乗りになるには、必要なことなんだと、わかったレッスンだった。。
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